2025.08.25
チョコレートに含まれるカフェインの含有量は?
<h1>チョコレートに含まれるカフェインの含有量は?</h1>
「チョコレートにカフェインは含まれている?」
「チョコレートを食べると眠れなくなる?」
チョコレートに含まれるカフェイン量は、ミルクチョコレート板チョコ1枚(約50-60g)で約14-16.8mg、ハイカカオチョコレートでは約34-72mgとなります。
健康な成人のカフェイン1日上限量は400mgのため、チョコレートだけで過剰摂取になることは考えにくいでしょう。
ただし、コーヒーや紅茶と一緒に摂取する場合は総量に注意が必要です。
今回は、「チョコレートに含まれるカフェイン量」や「適切な摂取タイミング」などについて詳しく解説していきます。
チョコレートを楽しみながらも健康面に配慮したい方は、ぜひ参考にしてください。
カフェインとはどんな成分?
カフェインとは天然成分の一つであり、アルカロイド(植物に含まれる化合物の一種)です。
茶葉やコーヒー豆、そしてカカオに多く含まれています。
医療の場では医療用医薬品として用いられ、ドラッグストアでもカフェイン錠剤が販売されています。
飲料やお菓子に含まれることも多く、身近な成分だといえるでしょう。
チョコレートに含まれるカフェイン量は?
日本チョコレート・ココア協会の「チョコレート・ココア健康講座」によると、ミルクチョコレート25gに含まれるカフェインは7mgほどです。
板チョコは約50~60gのため、板チョコ1枚では約14~16.8 mgといえるでしょう。
また、独立行政法人 国民生活センターの「高カカオをうたったチョコレート(結果報告)」という調査によると、ハイカカオチョコレートのカフェインは、100gあたり68~120mgとされています。
こちらも約50~60gとして計算すると、ハイカカオチョコレートの板チョコ1枚に含まれるカフェインは、約34~72mgと計算可能です。
コーヒーや紅茶にも含まれるカフェイン量は?
チョコレートを食べる際には、コーヒーや紅茶といった飲み物をお供にするという人も少なくないのではないでしょうか。
カップ1杯のコーヒーに含まれているカフェイン量は、およそ90mg。緑茶に含まれているカフェイン量は、およそ45mgだといわれています。
おやつに板チョコ1枚とコーヒー1杯を飲んだとしても、カフェインは104mg前後にしかなりません。過剰摂取の症状が出る心配はないといっても良いでしょう。
しかし、コーヒーや紅茶を何杯も飲んだり、エナジードリンクやカフェイン錠剤を飲んでいたりする場合はその限りではありません。
健康的に気兼ねなくチョコレートを味わうためにも、カフェインを含む飲料や錠剤の飲み過ぎには注意しましょう。
カフェインの1日の上限量について
健康な成人のカフェインの1日上限量は400mgです。これはコーヒー3~4杯程度にあたります。
妊婦さんは1日200mg(コーヒー2杯程度)まで、子どもは体重1kgあたり2.5mgまでが目安とされています。
上限量が設定されているのは、カフェインの過剰摂取によって、めまい・動悸・不眠などの健康への悪影響があらわれる可能性があるためです。
日本では独自の基準はありませんが、カナダ保健省や欧州食品安全機関(EFSA)などの国際機関が示す目安量を参考に、厚生労働省や農林水産省が情報発信をおこなっています。
カフェインと上手に付きあうためには、自分の適正量を知り、他の飲みものも合わせた1日の総量を意識することが大切です。
体調に異変を感じたら、すぐに摂取量を見直してください。
チョコレートに含まれているカフェインを摂取することで、体にどんな影響がある?
カフェインは、眠気覚ましや集中力を高める効果を持つことで有名です。
カフェインを摂取して眠気覚ましの効果が得られるのは、自律神経の一つである交感神経が活発になるからです。
自律神経には活動の際に活発になる「交感神経」と、休眠の際に活発になる「副交感神経」の2つがあり、どちらかが活発になると、もう片方は作用が弱まります。
交感神経は運動や集中力を司るため、カフェインを摂取することで眠気覚ましになるだけでなく、集中力の向上にもつながるのです。
チョコレートに含まれているカフェインを摂取することで、デメリットもある?
眠気覚ましや集中力の向上といったメリットがあるカフェインですが、摂取量や摂取方法を誤るとデメリットを引き起こすことがあります。
カフェインを摂取することで考えられるデメリットは、以下の通りです。
覚醒作用があるカフェインは眠気覚ましには最適ですが、同時に興奮状態を引き起こすため、就寝前に摂取すると眠れなくなる恐れがあります。
また、カフェインの過剰摂取を繰り返すことで、慢性的な不眠に悩まされることもあるので注意してください。
カフェインには、覚醒作用の他にも依存性があります。
チョコレートに限らず、カフェインを含む食べ物や飲料全般にいえることですが、摂取し過ぎれば依存性によってさらに多くのカフェインを求めるようになってしまいます。
適量を守っていればカフェインに依存することはありませんが、過剰摂取を繰り返すようなことは避けましょう。
チョコレートとカフェインに関するよくある質問
チョコレートとカフェインに関するよくある質問をまとめました。
チョコレートを楽しみながらも健康面に気を配りたい方、カフェインの摂取量が気になる方、お子様や妊婦の方のカフェイン摂取について知りたい方は、こちらもぜひ参考にしてください。
チョコレートの食べ過ぎはカフェインの過剰摂取につながる?
カフェインの過剰摂取は健康被害のリスクがありますが、チョコレートを食べる際には、そこまで気にする必要はありません。
日本では摂取許容量の設定を行っていませんが、米国食品医薬品局(FDA)では、健康な成人は、1日400mgまでであればカフェインを摂取しても悪影響はないとしております。
前述の通り、チョコレートに含まれているカフェインは、板チョコ1枚程度の量でおよそ14~16.8 mg前後となっています。
つまり、チョコレートだけで許容量のカフェインを摂取するには、30枚近くの板チョコを食べなければなりません。
その場合、カフェインの過剰摂取だけではなく脂質や糖分の大量摂取による健康リスクも問題になるでしょう。
子供や妊婦のカフェイン摂取量はどの程度が適切?
健康な成人と違い、気を付けたいのが子供や妊婦のカフェイン摂取量です。
子供は、大人と違ってカフェインに対する感受性が強いとされています。
大人よりも不眠症や依存症などになるリスクが高いと考えられるため、摂取量には気を付ける必要があるでしょう。
4~6歳は45mgまで、7~9歳なら63.5mgまで、10~12歳は85mgまでが目安です。
13歳を超えているのであれば、体重1kgあたり2.5mgで計算すると良いでしょう。
(例:48kgの子供なら、48×2.5で120mgが適量)
また、妊娠中の女性や、授乳期間中の女性も、子供への影響があるためカフェイン摂取量を調整しましょう。
妊娠中、あるいは授乳期間中の女性は、200~300mgまでを目安にしてください。
子供でも、板チョコであれば数枚は食べてもカフェインの摂り過ぎにはなりませんが、糖分は過剰になるため注意が必要です。
カフェインはどのような時間に摂取すると良い?
カフェインは10時から15時の間に摂取するのがおすすめです。
まず、起床直後(8〜9時)はストレスホルモンの分泌が多いため、カフェインの効果が出にくく、依存になりやすいからです。
また、カフェインは摂取から30分ほどで効果が現れ、血中濃度が半分になるまでに2〜8時間かかるため、夜の睡眠に影響を与えないよう15時以降は避けるべきです。
チョコレートを食べると眠れなくなることはありますか?
チョコレートを食べると眠れなくなることがあります。
チョコレートにはカカオ豆由来のカフェインが含まれており、カフェインには覚醒作用があるからです。
カフェインは交感神経を活発にし、眠気覚ましの効果をもたらします。
カフェインの半減期は4〜6時間で、摂取後30分〜2時間で血中濃度が最大となり、睡眠に影響を与える可能性があります。
そのため、特に就寝前にチョコレートを食べる際は注意が必要です。
カフェインを含まないチョコレートはありますか?
カフェインを含まないチョコレートは存在します。
通常のチョコレートはカカオマスが含まれるためカフェインが入っていますが、ホワイトチョコレートはカカオマスを使わず「ココアバター+砂糖+乳製品」を主原料とするため、カフェインがほぼ含まれません。
さらに、キャロブ(イナゴマメ)を使用したキャロブチョコレートは、カカオを一切使用しないため完全にカフェインフリーです。
程よい摂取で美味しく健康に
カフェインの過剰摂取は、健康被害をもたらすため注意が必要です。
しかし、適切な量を摂取すれば、勉強や運動に良い影響をもたらしてくれるでしょう。
チョコレートが含むカフェインはそう多くなく、コーヒーや紅茶などと一緒に味わっても、簡単に過剰摂取にはなりません。
勉強に、ダイエットに、そして何よりやすらぎの一時の彩りに、チョコレートをお試しくださいませ。
参考
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
農林水産省:カフェインの過剰摂取について「各国におけるカフェインの接種に関する注意喚起等」参照
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
厚生労働省ホームページ
http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/q12/index.html
日本チョコレート・ココア協会
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf
独立行政法人 国民生活センター