2025.08.29
チョコレートの作り方は?12の工程を徹底解説
「チョコレートの作り方が分からない」
「どんな工程があるの?」
チョコレート作りは、原料調達から型抜きまで12の工程で構成されており、各段階で適切な技術と温度管理が求められます。
特に重要なのは、カカオ豆の選別、ロースト、テンパリング(調温)の工程で、これらがチョコレートの品質を決定づけるポイントになります。
今回は、「チョコレート製造の12工程」や「美しく仕上げるコツ」について詳しく解説していきます。
手作りチョコレートに挑戦したい方や、製造工程に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
チョコレートの作り方
チョコレートができるまでの製造工程は、以下のとおりです。
それぞれの工程を詳しく解説していきます。
①原料調達
チョコレートづくりの成功は、よい原料を調達することから始まります。
おいしいチョコレートをつくるためには、何よりも質のよいカカオ豆を手にいれることが大切です。
なぜなら、チョコレートの風味はカカオ豆の産地や品種、現地での発酵工程によって決まるからです。
ガーナ産のフォラステロ種は安定した品質でチョコレート作り初心者にも扱いやすく、一方でベネズエラ産のクリオロ種は希少で高級品として珍重されています。
また、発酵工程の違いによってフルーティな香りから濃厚な苦味まで様々な風味を生み出すことができます。
チョコレート作りを始める方は、まず基本的なフォラステロ種から試し、慣れてきたら産地や品種の違いを楽しむことをお勧めします。
②選別
チョコレート作りで美味しさを決めるポイントは、カカオ豆の適切な選別です。
カカオ豆には小枝や小石、昆虫の損傷を受けた豆、平らで壊れた豆などが混入しており、これらはチョコレートの味に悪影響を与えます。
また、黒ずんでいる果肉や熟していない果肉なども、不快な風味の原因となってしまいます。
選別方法では、物理的な汚染物の除去から始まり、形状が不適切な豆を取り除く作業を行います。
さらに焙煎後の選別では、軽い殻と重いニブを機械的に分離し、最高品質のカカオニブだけを選び抜きます。
この工程により、最終製品はより滑らかで濃厚な仕上がりになるのです。
③ロースト
チョコレート作りで最も重要な工程の一つが「ロースト(焙煎)」です。
カカオ豆に含まれる成分を熱で変化させ、本来の苦みを抑えながら香り高いチョコレートの味わいを生み出すからです。
また、このタイミングで熱処理が不十分だと、完成したチョコレートの品質に大きく影響してしまいます。
具体的な作業として、カカオ豆をフライパンに入れ、焦げないよう注意しながら約20分間ぐるぐると回し続けます。
この時、「ビーンズロースト法」と呼ばれる豆をそのままローストする方法が一般的で、火が均一に通るよう丁寧に作業することが大切です。
部屋中に香ばしい香りが充満してくるのが、適切にローストできているサインとなります。
④分離
雑味のない美味しいチョコレートを作るためには、シェル(種皮)を丁寧に取り除く必要があります。
種皮が残ってしまうと仕上がりのチョコレートに雑味が混入してしまうためです。
カカオ豆は約10%がハスクと呼ばれる外皮で構成されており、適切に除去しなければ理想的な味わいは実現できません。
分離方法は、まずローストしたカカオ豆を粗く均一に砕くことから始まります。
この際、細かく砕きすぎるとシェルが取り除きにくくなるため、適度な大きさを保つことが重要です。
次にウィノワという装置を使用し、気流によってシェルとカカオニブを分離します。
シェルは鱗片状のため風で舞い上がり、重いカカオニブは下に落ちる性質を利用しています。
最後にふるいを使って段階的に分離作業を行い、カカオニブだけを回収します。
⑤磨砕
磨砕とは、カカオニブをすりつぶしてペースト状にする作業のことで、チョコレートの基本材料であるカカオマスが完成します。
磨砕が必要な理由は、カカオニブに含まれる油分を効率よく取り出すためです。
カカオニブには約55%のココアバターという脂肪分が含まれており、細かくすりつぶすことでこの油分がにじみ出てきます。
摩擦熱によってココアバターが溶け、どろどろのペースト状になることで、チョコレートやココアの原料であるカカオマスが誕生するのです。
磨砕によってできたカカオマスは、チョコレート作りの基礎となる重要な材料です。
この後、砂糖やミルクなどの材料を加えることで、私たちが知るチョコレートへと変化していきます。
⑥混合
チョコレート作りの混合工程とは、完成したカカオマスに砂糖やココアバター、粉乳などの原材料を配合に応じて混ぜ合わせる重要な工程です。
この工程では、製造するチョコレートの種類(ビター、ミルク、ホワイトなど)に応じて、各原料を正確な配合比率で計量し、ミキサーやニーダーと呼ばれる大型の混合機械を使用して均一に混合します。
このように、チョコレートの種類によって使用する原材料と手順が異なります。
⑦微細化
チョコレートの微細化とは、チョコレート生地の粒子を20ミクロン以下まで細かくする重要な工程です。
なめらかで美味しいチョコレートを作るためには、この微細化作業が欠かせません。
微細化はチョコレート作りにおいて舌触りを左右する重要な工程なのです。
この作業により、私たちが普段口にする滑らかで美味しいチョコレートが生み出されています。
⑧精錬
精錬(コンチング)は、チョコレート製造工程の一つで、微粒化されたチョコレート生地を長時間練り続ける作業を指します。
この工程でチョコレート生地に流動性が生まれるとともに、風味や食感が大幅に改善されるためです。
具体的には、チョコレート生地を「コンチェ」という機械で45℃から80℃の高温で24時間以上練り上げることにより、余分な水分や不快な香りが揮発し、チョコレート本来の芳醇なアロマが引き立ちます。
また、練る過程で酢酸も蒸散され、適度な酸味バランスが保たれます。
この工程により、粉状のフレークが液状のチョコレートへと変化し、なめらかな舌触りと豊かな香りを持つチョコレートが完成します。
⑨調温(テンパリング)
テンパリングとは、チョコレート内のココアバターの結晶を最も安定した状態(V型結晶)にするために、温度を調整する工程のことです。
テンパリングが重要な理由は、正しい温度調整を行うことでココアバターがV型結晶という最も安定した結晶構造になり、チョコレートに美しいツヤと滑らかな口溶けが生まれるためです。
一方で、テンパリングを行わないと、表面がべたべたしたり、型から抜けにくくなったり、白っぽいファットブルームが発生する原因となります。
チョコレートのテンパリング手順
この3段階の温度調整(50℃→27℃→31-32℃)により、ココアバターの結晶が正しく形成され、艶のある美しいチョコレートが完成します。
⑩充填
チョコレート作りにおいて、充填工程とは、テンパリング(調温)を終えた液状のチョコレートを型(モールド)に流し込む工程のことです。
気泡が残っていると表面が凸凹になったり、型の角や細部にチョコレートが行き届かないと形が不完全になってしまいます。
また、適切な充填を行わないと、型から外す際にチョコレートが割れたり欠けたりする原因となります。
充填工程は手作りチョコレートの品質を決定する最終段階であり、丁寧な作業によってプロのような美しいチョコレートを作ることができます。
⑪冷却
正しい冷却によって、表面が白くなったりざらついたりする「ファットブルーム」や「シュガーブルーム」という現象を確実に防げます。
チョコレートには「テンパリング」という温度調整が必要で、この工程でココアバターの結晶を安定させています。
しかし、成型後の冷却が不適切だと、せっかくのテンパリングが台無しになってしまいます。
急激に冷やしすぎても、ゆっくり冷ましすぎても、チョコレートの結晶構造が崩れて表面に白い斑点や粉が現れてしまうのです。
⑫型抜き
冷却後の型抜きは、十分に固まって離型のサインを確認してから、型を逆さにして軽くたたく方法で外すのが失敗しにくいです。
チョコレートはテンパリングが正しく取れて冷えると体積がわずかに収縮し、モールドから自然に離れやすくなります。
逆に早く外そうとすると張り付きや欠けの原因になります。
型抜きする際のポイント
冷え具合と離型サインを見極めてから、逆さにして軽くたたく基本手順を守ることで、欠けや白化を防ぎながらきれいに型抜きできます。
チョコレートの作り方に関するよくある質問
最後に、チョコレート作りにまつわる疑問、よくある質問に回答します。
チョコレート作りに必要な道具は何ですか?
以下の表に、チョコレート作りに必要な道具をまとめました。
上記の道具を揃えることで、初心者でも美味しいチョコレートを作ることができます。
特にデジタルスケールとボウル、泡立て器は欠かせない道具なので、まずはこの3点から揃えることをおすすめします。
オーブンがない場合、オーブントースターで代用できますか?
オーブントースターはチョコレート作りにおいてオーブンの代用として使うことができます。
作り方として、天板にオーブンペーパーを敷いて生地をのせ、強(220~250℃位)で5~6分焼きます。
途中で色がついてきた場合は、アルミホイルをかぶせて焦げを防ぎましょう。
底がこげやすい場合は、オーブンペーパーの下にアルミホイルを数枚敷くとよいでしょう。
温度調整ができないものは、途中でアルミホイルをかけたり下に敷いたりして焦げ付きを防ぐことが大切です。
表面がきれいに仕上がらない原因は何ですか?
チョコレートの表面がきれいに仕上がらない主な原因は、温度管理の失敗と水分の混入です。
表面が凸凹(でこぼこ)してしまう原因として、チョコレートが完全に溶けていない状態で固めることが挙げられます。
また、作業道具に水分や油分が付着していると、チョコレートが正しく溶けず、きれいに固まらなくなります。
さらに、温度変化によってココアバターの結晶が不安定になり、表面が白くなるブルーム現象も起こりやすくなります。
まとめ
チョコレート作りは、原料調達から型抜きまでの12工程を正確に実行することで、美味しく美しいチョコレートを完成させることができます。
特にカカオ豆の選別、ロースト、テンパリング(調温)の3つの工程は品質を決定づける重要なポイントであり、各段階での適切な温度管理と丁寧な作業が求められます。
今回紹介した12工程のポイントを参考に、まずは基本的な道具(デジタルスケール、ボウル、泡立て器)を揃えましょう。
初心者の方は扱いやすいフォラステロ種のカカオ豆から始めて、慣れてきたら産地や品種の違いを楽しんでみてください。