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「準チョコレートとは何か？」

 

「チョコレートとの違いは？」

 

チョコレート類は、カカオ分や油脂の種類、製造基準などによって厳密に分類されています。

 

準チョコレートは、カカオ分が低い代わりに植物油脂が使われることが多く、価格を抑えつつマイルドな食感が特徴です。

 

その一方で、脂肪分や糖分の多さから摂取量には注意が必要です。

 

今回は、準チョコレートの定義やチョコレートとの味や成分の違い、食べる際の注意点などを解説します。

 

準チョコレートとは

 

準チョコレートとは、通常のチョコレートよりもカカオ分が少ないチョコレート製品です。

 

カカオ分15%以上、またはカカオ分7%以上かつ乳固形分12.5%以上を含む「準チョコレート生地」を全重量の60%以上使用したものを指します。

 

これは消費者庁および公正取引委員会が定めた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」で規定されています。

 

チョコレート類の定義

 

全国チョコレート業公正取引協議会の公正競争規約では、チョコレート及び準チョコレートの生地をカカオ分・脂肪分などの割合で5種類に分け、さらにチョコレート加工品についても、生地の割合やコーティング面積などで細かく基準を定めています。

 

例えばナッツ入りのチョコやビスケットをチョコでコーティングしたお菓子でも、チョコレート生地の重量や表面積が規定の割合以上であれば、チョコレート類として表示される仕組みになっています。

 

逆に、カカオ分や生地の量が基準に届かない場合は、別の区分で販売されるのが特徴です。

 

こうした定義を押さえておけば、売り場で表示を見比べながら、自分に合ったチョコレート類を選びやすくなります。

 

チョコレート

チョコレートの定義は主に「チョコレート生地」の使用割合によって決まります。

 

たとえば、「チョコレート生地」とは、カカオ分が21％以上、ココアバターが18％以上、水分が3％以下、さらにカカオ分や乳固形分の合計が35％以上といった厳しい基準のもとで作られています。

 

また、チョコレートと呼べるのは、その生地が単体、もしくは全体の60％以上使用された加工品に限られます。

 

カカオ分とはカカオマスやココアパウダー、ココアバターなど、カカオ由来の原材料から水分を除いた合計量のことです。

 

身近な例では、市販の板チョコや高級な生チョコも、この基準を満たしているものが「チョコレート」となります。

 

準チョコレート

 

準チョコレートは、カカオ分15%以上、またはカカオ分7%以上かつ乳固形分12.5%以上を含む「準チョコレート生地」を全重量の60%以上使用したものを指します。

 

一方でチョコレート生地はカカオ分35％以上とされており、準チョコレートは香りやコクがやや控えめになりやすい特徴があります。

 

例えば、価格を抑えたい板チョコやクッキーのコーティングには、溶けにくく扱いやすいよう植物油脂を含む準チョコレートが使われることがあります。

 

パッケージ表示で「準チョコレート」と書かれていれば、カカオ感よりも食べやすさや価格を重視したタイプだと判断できます。

 

純チョコレート

 

純チョコレートは、厳しいルールをクリアした“純粋なチョコレート”だけに使える名称です。

 

全国チョコレート業公正取引協議会の規約で、カカオ成分はココアバターとカカオマスだけ、脂肪はココアバターと乳脂肪だけ、糖類はショ糖のみで全重量の55％以下、レシチンは0.5％以下、その他の添加物はバニラ系香料以外NGと細かく決められています。

例えば板チョコの原材料表示が「カカオマス、ココアバター、砂糖、全粉乳、乳化剤（レシチン）、香料」のようにシンプルで、植物油脂などが入っていないものは純チョコレートやピュアチョコレートと表示できます。

 

チョコレート・準チョコレートの違い

 

チョコレートと準チョコレートの違いは、主にカカオ分の割合と使用される油脂の種類にあります。

 

チョコレートはカカオマスやココアバターといったカカオ原料の比率が高く、豊かな風味が楽しめます。

 

一方で準チョコレートはカカオ分が低く、ココアバターの代わりに安価な植物油脂を使うことでコストダウンや扱いやすさを実現しています。

 

カカオ感や素材の純粋さを重視するなら「チョコレート」、価格や手軽さを重視したい場合は「準チョコレート」と表示された製品を選ぶと、自分に合ったお菓子を見つけやすくなります。

 

準チョコレートが生産されている理由

 

準チョコレートが生産されている理由は以下の通りです。

• コストを下げるため
• 食感・溶け方を調整しやすいから
• 低価格で商品を出せるため

 

上記の理由について解説していきます。

 

コストを下げるため

 

準チョコレートが作られる大きな理由は、チョコレートよりも原材料コストを下げて、商品価格を抑えるためです。

 

カカオマスやココアバターは世界的な需要増や天候不順の影響で高騰している高価な原料であり、準チョコレートではその割合を減らし、代わりに安価なココアパウダーや植物油脂を使うことで原価を下げられます。

 

食感・溶け方を調整しやすいから

 

準チョコレートでは、ココアバターの代わりにパーム油など複数の植物油脂を組み合わせることで、サクッとした歯ざわりにしたり、常温では溶けにくく口の中ではなめらかに溶けるようにしたりできます。

 

油脂の配合や量を変えれば、暑い季節向けに少し固めにしたり、子ども向けに軽い口当たりにしたりすることも可能です。

 

こうした理由から、準チョコレートは食感と溶け方をコントロールするために生産されているといえるでしょう。

 

低価格で商品を出せるため

 

準チョコレートがたくさん作られているのは、メーカーがお菓子をできるだけ安い値段で売れるようにするためです。

 

カカオマスやココアバターは原材料の中でも特に高価で、配合量が多いほど製造コストが上がり、店頭価格も高くなってしまいます。

 

そのため準チョコレートでは、カカオ分を減らし、一部をココアパウダーやパーム油など安価な植物油脂に置き換えることで原料費を下げ、スーパーやコンビニで売られる100円台のチョコ風スナックにも使いやすくなっています。

 

準チョコレートを食べる際の注意点

 

準チョコレートは価格が安く手軽に楽しめる一方で、健康への影響を考えずに食べ続けると体に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

以下では、準チョコレートを食べる際に気をつけるべきポイントを紹介します。

 

 

食べ過ぎに注意する

 

準チョコレートは商品によって差はあるものの、砂糖が全体の半分前後を占めるものも多く、カロリーが高めになりがちです。

 

厚生労働省などは、菓子類などの嗜好品からとるエネルギーを1日あたり約200kcalまでに抑えることを推奨しています。板チョコでいえば3分の1〜半分程度が目安とされるため、脂肪分や糖分が多い準チョコレートは、それより少なめの目安として1日10g前後にとどめるなど、控えめな量を意識すると安心です。

 

脂質・コレステロールが気になる人は控えめに

 

準チョコレートは、脂質やコレステロールが気になる方は摂取量に注意が必要です。

 

準チョコレートにはカカオ成分の代わりに植物油脂や糖分が多く含まれているため、通常のチョコレートよりも脂肪分が高い傾向にあります。

 

特に植物油脂に含まれる飽和脂肪酸は、過剰に摂取すると悪玉コレステロールを増やし、心血管疾患のリスクを高めてしまいます。

 

さらに、体脂肪として蓄積されやすい性質もあるため、食べ過ぎによる肥満にも注意しましょう。

まとめ

 

準チョコレートは、カカオ分を抑えて植物油脂を多く使うことで、価格を下げつつマイルドで食べやすい味わいを実現したチョコレートです。

 

カカオ感や素材の純粋さを重視するなら「チョコレート」「純チョコレート」を、価格や手軽さを重視するなら「準チョコレート」を選びつつ、脂質・糖質の多さを意識して量をコントロールすることが大切です。